ルイヴィトンはラインによっては、様々な素材を使用しており、取り扱いに注意が必要なものがあります。
こちらでは、素材ごとの特長と長く使うためのポイントをお伝えします。
お気に入りのルイヴィトンを長持ちさせましょう！
モノグラム・ダミエ：トアル地
トアル地とは
エジプト綿に塩化ビニール(PVC)コーティング加工した高級素材です。 ビニールなので当然弾力があり、水に濡れても全く問題がなく、薬品にも強いのが特徴です。
取り扱い方法
トアル地は耐久性や防水性に優れ、傷が付きにくい素材ですから、購入後に防水スプレーをかけておけば、汚してしまった場合でも柔らかい布で拭き取るだけで良いのです。
耐久性や防水性があるなら、丸洗いもできるのでは？と思う方もいるかもしれませんが、それはやってはなりません。モノグラムラインは、一部にヌメ革を使用したアイテムが多いです。この部分が水に濡れるとシミの原因になってしまいます。
雨の日には使用しないことが一番ですが、出先で突然雨に降られることもあると思います。もし雨に当たってしまったら、なるべく早く乾拭きして陰干しするようにしましょう。
ベタ ( 加水分解 ) には要注意です！
雨の日にビニール傘を使い、まだ乾ききってない状態で傘を畳んで放置すると、次に開く時にビニール同士がくっ付いてしまった事はありませんか？
ルイヴィトンの本国『フランス』は日本より湿度が低く、加水分解も起こりにくい環境で、塩化ビニル樹脂を素材とするのに適している環境だといえます。一方日本は、高温多湿のため、塩化ビニル樹脂を長期保存することは非常に難しいのです。
ルイヴィトンのベタつきは、査定において痛手ですので、将来売却を考えているのでしたら、保管の際はご注意ください。
ヴェルニ：カーフスキン＋エナメル加工
1998年にデザイナー、マーク・ジェイコブスが自身のデビュー・コレクションのショーのためにデザインして誕生したモノグラム・ヴェルニ。
カーフスキンとは
「カーフ」は仔牛のことで、生まれてから6カ月以内の仔牛のなめし皮を「カーフスキン」と言います。傷などが少なく、とても柔らかくて薄いという特徴を持ち、牛革の中で最も高い価値があります。
取り扱い方法
ヴェルニには、エナメル加工された牛革が使われています。爪やアクセサリーを引っかけると、光沢が損なわれたり傷ついたりします。また摩擦や水濡れ、汗などによって色落ちの可能性がありますので注意が必要です。雨の日は持って出かけないことをおすすめします。また、基本的にはクリームや防水スプレーは使用しない方がよいです。
エピ：エピレザー
フランス語で「麦の穂」を意味するエピ。1920年代にルイヴィトンで使われていたグレイン ( 型押し ) のパターンをヒントに、1985年に新たに開発されたパターンで、風にたなびく麦の穂をイメージして作られました。
エピ・レザーの特徴は、光の当たり方によって光沢や色彩が変化することで、無地でありながら、ほどよい華やかさのある風合いがあります。また衝撃に強く、シワができても目立ちにくいというのも特徴です。
タイガ：カーフスキン
ロシア語で「針葉樹の森林地帯」を意味する”タイガ”は、シャープかつシックでスタイリッシュな表情が目を引きます。1993年、ルイヴィトン初の本格的なメンズラインとして登場し、ビジネスユースを意識してデザインされたアイテムです。
エピ・タイガの取り扱い方法
染色して型押しをした牛革のエピとやわらかく上質な牛革を型押ししたタイガは、それぞれ素材は違いますが、いずれも摩擦や水濡れ、汗などにより色落ちやシミになる可能性があります。
水に濡れた場合のお手入れは、やわらかい布で水分を十分に取ってから陰干しします。そして、エピやタイガの表面の光沢が無くなった場合は、専用のクリームをやわらかい布に付けてムラなく薄く塗ってお手入れをしてください。
牛革の種類
ルイヴィトンをはじめとしたハイブランドに使われる牛革についても簡単にご説明します。
カーフ
生後6か月までの仔牛の皮です。銀面のキメが細かく、皮が柔らかいです。若い牛の皮なのでキズが少なく、部位による皮質の差が少ないのが特徴です。体が小さい分、面積が少ないので、流通量も少ない高級素材です。
キップ
内装キップ生後6か月から2年くらいまでの牛の皮です。キップもカーフスキンに含まれてしまうことがありますが、キップはカーフに比べて皮が厚く、耐久性に優れている分、銀面のキメの細かさではやや劣ります。耐久性を生かして、財布の内装に使われることもあります。
カウ
カウ革ジャン生後２年までの雌成牛の皮です。雄牛であるステアやブルに比べると皮自体が薄く、銀面のキメは細かいがお腹の部分の皮の繊維がややルーズという欠点もあります。皮ジャンなどにもよく使用されます。
ステア
生後数か月で去勢された雄牛の皮です。皮質はカウとブルの間といったところで、成牛の中でもキメが細かいです。牛皮の中で最も流通量が多いため、ステアを使った革財布は手頃な価格のものが多いです。
ブル
生後３年以上の雄成牛の皮です。皮自体が厚くて丈夫ですが、繊維が荒く、去勢されていないため、気性が荒い牛同士のケンカ（？）による傷が多いのが欠点です。靴や靴底などに使用されることが多いです。
ハイドとスキンとは？
皮革素材の名前には『カウハイド』や『ブルハイド』と呼ばれるものや『カーフスキン』『キップスキン』と呼ばれるものがあります。皮のタイプと組み合わせて使われていて、この二つの言葉は動物の生育状態を示したものです。
ハイドとは
厚くて重い、大きい皮のことを言います。牛革の場合、体重が13.6キロ以上のものがハイドになります。
スキンとは
薄くて、軽い、小さい皮のことを言います。牛革の場合、体重が13.6キロ以下のものがスキンになります。牛革の他にはシープスキンなどがあります。その他、小動物の皮を○○スキンと呼ぶこともございます。
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